クレジットカードで店側が支払う手数料を徹底調査

クレジットカード決済をすると、お店側がカード会社に手数料を支払わなければなりません。これを「加盟店手数料」と呼びます。この記事では、加盟店手数料がどのくらいなのか、そして、加盟店手数料を消費者が上乗せ請求されたらどうすればいいのかについて、解説します。

目次

加盟店側が支払う手数料はどのくらい?

加盟店側が支払う手数料を、「加盟店手数料」と呼びます。これは、お店にカード利用があれば、カード会社と契約した加盟店は、カード利用額の一定の割合を「加盟店手数料」として、カード会社に支払う手数料です。

気になる加盟店手数料ですが、実は、加盟店手数料は加盟店の業種によって、おおむね以下のようになっています。

業種 手数料率
家電量販店・コンビニエンスストア 1~1.5%
百貨店 2~3%
一般的な小売店・専門店 3~5%
飲食店(バー・クラブなど) 4~8%

業種によって加盟店手数料率が異なるのは、利用頻度と回収率の違いです。家電量販店などはカード決済の利用金額、利用件数も多い優良な大口顧客のため、手数料率を優遇しています。これに対して、バーやクラブなどは不正利用などによる利用代金の未回収リスクが高いため、リスク回避のために手数料率を高くしているのです。

加盟店側が支払う手数料は、クレジットカード会社の重要な収入源

クレジットカード会社の収入は、

  • 消費者側が支払う手数料
  • 加盟店側が支払う手数料

によるところが大きいです。

消費者側の手数料は不安定、加盟店側の手数料は比較的安定

消費者側がカード会社に支払う手数料には、

  • 年会費・発行手数料
  • リボ払い・分割払いの手数料
  • キャッシングの利息
  • 海外事務手数料

などがありますが、年会費無料のカードを1回払いで国内ショッピング利用している分には、手数料が発生しません。つまり、消費者側からカード会社が得る手数料収入は、不安定です。

これに対して、加盟店手数料は、消費者側の手数料とは異なり、努力でゼロにすることはできませんので、カード会社にとっては比較的安定した収入源です。

加盟店側にも手数料を支払うメリットがある

お店がクレジットカード決済を導入するには、カード会社と加盟店契約を結ぶ必要があり、契約を締結すると加盟店手数料を支払うことにも同意します。それならば、加盟店契約を結ばなければいいと思いますが、加盟店契約は、加盟店側にも以下のようなメリットがあります。

  • 利用者が増える(特に外国人観光客)
  • 利用単価が増える
  • 犯罪の被害額を減らせる
  • 釣銭間違いを防げる

加盟店側の手数料を消費者側が支払うことは加盟店契約違反

消費者側としては、加盟店手数料をいつの間にか消費者側が支払っていないか、気になるところでしょう。しかし、加盟店手数料を消費者が支払うことは、加盟店契約に違反しています。例えば、JCB加盟店契約の第11条(加盟店の義務、禁止行為等)には、以下のように記載があります。

「加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設けたり等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。」

つまり、加盟店手数料を上乗せしてカード決済することは、認められていません。

もし加盟店側の手数料を消費者が請求されたら?

しかし、加盟店手数料を消費者の利用金額に上乗せして、お店が請求することがあるかもしれません。購入しないのも一つの手ですが、どうしても買いたいときには、以下の対策を取ってください。

現金払いにする

最もシンプルなのが、現金払いに替えることです。現金払いならば加盟店手数料は関係ないので、上乗せ請求されることもありません。

電子マネー払いにする

現金の持ち合わせがない場合には、電子マネーを使うといいでしょう。電子マネーにも加盟店手数料が存在しますが、手数料率はおおむね3~4%程度ですので、上乗せの可能性も低くなります。小規模なお店や飲食店で電子マネーが導入されていれば、おすすめです。

J-Debit払いにする

日本の銀行がかつて推進していた「J-Debit」というデビット払いがあります。J-Debitの加盟店手数料率は0.2~2.5%程度です。加盟店も利用者も少ないかもしれませんが、もしお店に導入されていたら、検討の価値はあります。

支払いを断る

以上は、手数料の支払いを了承する際の方法ですが、どうしても納得いかなければ手数料の支払いを断ってもいいでしょう。「加盟店手数料をこちらが支払う理由はない」ときっぱり言うのです。ただし、そうなると商品を売ってくれない可能性もあります。

いったんカード決済→すぐカード会社に相談

その場を穏やかに済ませたいのであれば、その場は言われた金額でカード決済しましょう。決済後すぐに、クレジットカード会社に相談してください。利用規約違反ですので、加盟店側には何らかのペナルティ、利用者側には手数料分の返金があるかもしれません。

ただし、この際には、もともとの金額を証明する証拠があると、さらにいいでしょう。

加盟店手数料は利用者が支払う必要がない

加盟店手数料は加盟店側がカード会社に支払うものであり、消費者側が立て替えることは認められていません。しかし、手数料率は業種によっては10%近くなる場合もあり、小規模なお店は加盟店手数料を上乗せ請求する可能性があります。

その際は、毅然とした態度で支払いを断るもよし、一度カード払いした後でカード会社に相談するもよし、クレジットカード払い以外の方法で支払うのも良しです。


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