作ってはみたものの使っていないカードがあるという人は多いのではないでしょうか。
カードを使わずに放置しておくと、思わぬ影響があるかもしれません。この記事では、カードを使わないとどのような影響があるのか解説します。
目次
カードの失効・退会の可能性がある
まず、カードが更新されないカードがあります。
学生専用カードや年齢制限を設けているカードを除き、期限を迎えるクレジットカードは自動更新されます。クレジットカードの有効期限は一般的に5年間ですが、その1か月ほど前に新しいカードが届く流れです。
しかし、利用がないクレジットカードについては、カード会社の判断で自動更新がなされない場合があります。特に年会費無料のカードは、カードの発送費用だけで赤字になってしまうからです。
事前通知はある
しかし、カード会社の判断でいきなり退会となるわけではありません。カードの有効期限を迎える2か月ほど前に、利用者の元へ「カード利用がないとカード更新しない」旨の通知がなされます。この退会は「強制解約」ではないので、信用情報(個人のお金の借入を記録する情報)に影響がありません。
カードを利用して更新するか、カードを利用しないでそのまま解約とするかは、利用者の判断にゆだねられています。
信用情報の審査に多少の影響がある
有効期限を迎えて退会となっても信用情報に影響はありませんが、信用情報を見る人(クレジットカード会社)によっては、カード利用がないことがネガティブに見えるかもしれません。
CICの信用情報の見方
信用情報を管理している機関は3つありますが、そのうちクレジットカード会社が加盟しているのが「CIC」です。CICの信用情報はどのように記録されているのか、紹介しましょう。
記号 | 意味 |
---|---|
$ | 請求通り(またはそれ以上)の入金あり |
P | 請求の一部の入金あり |
R | 請求者以外からの入金あり |
A | 契約者都合による未入金 |
B | 契約者都合ではない未入金 |
C | 原因不明の未入金 |
― | 請求も入金もなし |
空欄 | カード会社からの情報更新なし |
「P」「A」などは、利用料金を滞納している状態ですので、カード会社にとっては好ましい契約者ではありません。一方、クレジットカード会社にとって最も好ましいのが「$」です。
「―」「空欄」もプラスイメージではない
では、「-」「空欄」はクレジットカード会社にとってどのようなイメージかというと、決してプラスイメージではありません。ちなみに、「-」「空欄」ともクレジットカードの利用がないことを意味します。
クレジットカードの利用がないと、カード会社に何の利益ももたらさないからです。
カードの信用情報審査で影響が出る
「-」「空欄」の記号は、クレジットカードの信用情報審査で影響が出る可能性があります。クレジットカードの審査は、以下の3段階で行われます。
- 申込情報の審査
- 信用情報の審査
- 在籍確認(申込情報に記載された勤務先に勤務しているかを確認する審査)
クレジットカードで審査を行なうのは、「新規」「更新」「増額」などがあります。先ほど述べた「カードが更新されない可能性」は、信用情報を参照しています。
「新規」「増額」についても信用情報が参照されるため、カード利用がないとカード発行や増額は難しいでしょう。
キャッシング枠に影響がある
使っていないクレジットカードにキャッシング枠が付いている場合、他のキャッシング枠に影響が出ます。
キャッシング枠は「総量規制」の対象
貸金業法の中に「総量規制」という決まりがあります。年収の3分の1を超える貸付ができない決まりです。
ノンバンク系(消費者金融など)のカードローンだけでなく、クレジットカードのキャッシング枠も対象となっています。しかも、対象商品の合計枠が、総量規制の対象です。
例えば、年収600万円の人が、総量規制の対象となっている商品を以下のように契約しているとしましょう(クレジットカードはキャッシング枠)。
商品 | 利用枠 |
---|---|
クレジットカードA | 50万円 |
クレジットカードB | 20万円 |
カードローンA | 80万円 |
カードローンB | 50万円 |
年収600万円であれば、総量規制の上限は200万円ですので、上記の商品で上限いっぱいです。新たにクレジットカードのキャッシング枠や消費者金融のカードローンを契約しようとしても、契約できません。
総量規制は、カードを使っていなくても「使っている前提」で計算されます。よって、使っていないクレジットカードAを解約すれば、50万円分の利用枠の空きができるのです。
不正利用の可能性がある
使っていないクレジットカードは、不正利用される可能性があります。不正利用されても補償してくれるカード会社も多いですが、手続きが面倒です。
使っていないクレジットカードは管理が行き届かない
使っていないクレジットカードは、管理が十分に行き届きません。
まず、使っていないクレジットカードは、契約者自身どこに置いてあるのかよく分かりません。意識することも少ないので、一時的にカードが紛失しても気づきません。その間にカード情報が盗み取られ、盗んだカード情報が不正利用される可能性があるのです。
また、経費節減のため、最近では紙の明細書を発行するカード会社も少なくなってきました。不正利用されて紙の請求書が届けば、気づくこともできます。しかし、WEB明細では紙の明細書より気づける可能性が少なくなります。
使わないカードは解約も検討
使わないカードは、解約も検討した方がいいかもしれません。使わないままカードを放置しておくと、不正利用の被害に遭う可能性が高くなります。
また、新たにカードを作ろうとしても、信用情報の審査でマイナスイメージが付きますし、総量規制に引っかかって審査落ちする可能性もあります。
そもそも、有効期限を迎えてカードが更新されず、失効・退会となる可能性もあります。友達の付き合いで作ったが使わないのであれば、そのまま失効させるか、期限前に解約した方がいいです。
カード利用ではなくカード提示でサービスが受けられ、そのサービスを利用しているのであれば、少しでもいいので利用しましょう。そうすれば、有効期限近くになってカードが届きます。
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